昨年秋に初めて出演した独ハンブルクの名ホール、ライスハレ。
前回のトリオに引き続き、6月17日のハンブルク交響楽団の室内楽コンサートシリーズにて同楽団の皆さんと共演させていただきました。
プログラムはデュオ作品(ラヴェル:ヴァイオリンソナタ、サン=サーンス:クラリネットソナタ、コープランド:ヴァイオリンとピアノのための2つの小品)から弦楽四重奏曲(マルティヌー)、ストラヴィンスキーの「兵士の物語」、ハンブルクを拠点に活動する作曲家ニコライ・ブリュッヒャーさんによるピアノトリオ「パリ 1925年」(初演)まで、盛りだくさん。
この現代曲バリバリの内容を日曜日の朝11時から聴きに来てくださるのはどんな方々なのだろう・・・と思っていたのですが、
さすが同楽団の人気シリーズ。固定のファンの方々がたくさん来られていたようでホールはお客様でいっぱいでした。
写真はプログラム後半から、同楽団第二ヴァイオリン首席奏者・小池智子さんとのデュオ風景
(コープランド:ヴァイオリンとピアノのための2つの小品)。
プログラム前半には同楽団の第一コンサートマスターであるエイドリアン・イリエスクさんとラヴェルのヴァイオリンソナタ、バスクラリネット奏者のエルマール・オーニッヒさんとサン=サーンスのクラリネットソナタを共演。
そしてそのお二人とトリオでストラヴィンスキーの「兵士の物語」を演奏しました。
「兵士の物語」は昔から好きな曲でしたが、実際に弾くとなると変拍子に慣れるまではけっこう大変でした。
Nikolai Brücher's "Paris, 1925" Trio for Violin, Cello and Piano (Premiere) with Adrian Iliescu (vn) and Gabriel Faur (vc)
マルティヌーの弦楽四重奏曲を挟んで(その間私は小休憩)、プログラムの最後にはニコライ・ブリュッヒャーさんによる出来立てホヤホヤの新作「パリ 1925年」を初演。コンマスのエイドリアンとガブリエル・ファールさん(ハイルブロン室内管弦楽団首席チェリスト)とのトリオでした。
新曲を演奏する機会は普段なかなか無いうえ、内部奏法まである曲だったのでどうなることかと思いましたが、トリオとしてもまとまり良いフィードバックがいただけて良かったです。1925年当時のパリをイメージしたかっこいい曲で演奏効果も高く、一回だけ演奏するのにはもったいないくらいでした。
私はほぼ出ずっぱりのコンサートで、終演後は「ピアニストは大変だったでしょ〜」と色んな方から声をかけていただいたのですが、終わってみると喉元過ぎるというか、また機会があればこういうプログラムもやってみたいなと思っています。
同楽団メンバーの皆さんもオーケストラの日頃の練習やリハーサル、コンサートの合間を縫っての出演でとても忙しそうでしたが、そんな多忙さすら楽しんでいる様子が伝わってきました。ご一緒させていただけて本当に嬉しく思いました。
素晴らしい音楽家、友人たちとの貴重な機会に心から感謝!
萬谷衣里