「音楽の友」誌 2019年10月号に8月10日の大阪でのリサイタル評が掲載されました。
以下、同誌より抜粋をご紹介します。
ドイツを本拠に活躍する萬谷衣里のリサイタルを聴いた。…リストの作品では、《ラ・カンパネラ》のような作品でも、十分な技巧を持ちながら決してそれをひけらかすのではなく、むしろ音楽の持つ品位が格調高く引き出されてくるのが印象的。最後に弾いたシューマンの《交響的練習曲》では、各変奏に散りばめられた技巧の違いも十分に楽しませてくれたし、随所にふと浮かび上がるロマンに彼女のドイツでの経験が生きているように思ったが、なによりも全体を通しての見通しの効いた堅固な構成感がなかなかに見事で、この作品におけるシューマンのドイツ的特質やロマンティシズムの精華を満喫した。…(中村孝義 2019年8月10日 ヒビキミュージックサロン リーヴズ)