11月29日、Ulrike Hansenさんの絵画展『Die Musik kommt (音楽がやってくる)』のオープニングにゲスト出演しました。
一昨年、昨年と引き続き、ウルリケの絵画展で演奏するのは今年で3度目。
今回はバリトン歌手のMarek Reichertさんとの共演で歌曲を演奏したのですが、ウルリケからのリクエストで彼女の創作の元となったオスカー・シュトラウスの『Die Musik kommt(音楽がやってくる)』という曲を中心にプログラムを組みました。
この曲、私は全く知らなかったのですが、ものすごく面白いんです。
音楽隊が行進してくる様子が歌われていて、ワクワク感に満ちたみんなが笑顔になるような曲です。
この歌からインスピレーションを受けて描かれたウルリケの絵画の数々は、会場を光で溢れさせ、集まった人々をハッピーな気持ちにさせてくれるものばかりでした。
ウルリケから小犬が描かれた絵をプレゼントされて喜んでいる私ですが、これ、実は彼女が私の演奏したショパンの『小犬のワルツ』を聴いて描いてくれたものなんです。
ショパンのワルツ作品64-1は、彼の恋人だったジョルジュ・サンドの飼い犬が自分の尻尾を追いかけてくるくる回る様子を描写したもので、日本ではご存知の通り『小犬のワルツ』という題名で有名です。
でもドイツでは何故かあっさりと『Minutenwalzer (一分間のワルツ)』と呼ばれているんです。
全然かわいくない(笑)。
ウルリケも私が説明したのを聞いて初めてこの別名を知り、尻尾を捕まえている小犬を描いてくれたというわけです。
最後の写真は、お礼に同ワルツを演奏するところ。
アーティストの方とこんな風につながれるって、音楽があるおかげです。
知らない間に小さなコラボレーションが誕生するきっかけになった小犬のワルツ。
思い出の曲になりました。
萬谷衣里