このフェスティバルは毎年テーマが決められていて、参加アーティストたちはそれに沿って企画を提出するのですが、これが毎回割と曲者でして、2019年は「Futur Ⅲ(未来3)」とのこと。私は映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」くらいしか思い浮かばなかったのですが、美奈子さんがいつもながらに良いアイデアを出してくれ、私たちの公演タイトルは「Brücke(橋)」になりました。以下、彼女が今回のパフォーマンスのために書いたテキストをご紹介します。
Genießt die Brücke, die mit
> Shakuhachi (japanischer Bambusflöte) gepielt von Peter Pütz,
> Klavier gepielt von Eri Mantani und
> Gedichten gelesen von Minako Matsuishi
gebaut sein wird.
ペーターさんは日本を何度も訪れ、尺八もご自身で作られたものを使用されています。
演奏されるのは、尺八のために筆で書かれた縦書きの日本語による楽譜です。
(私も似たような楽譜を長唄三味線の授業で見た気がしますが・・・読めません。笑)
尺八についての説明を行ってくださり、御来場者が彼の楽器を借りて演奏にチャレンジする姿も見られましたが、音を出すのは本当に難しそうでした。
美奈子さんの詩のドイツ語訳を朗読してくださったのはペーターさんの奥さん。
同じ詩でも日本語で聞くのとドイツ語で聞くのとでは違い、その差を楽しみながら私は現代曲の小品を中心に演奏しました(スクリャービン、ショスタコーヴィチ、サティ、カバレフスキー、チック・コリア等々)。
ペーターさんの尺八に合わせて即興で音をつけるという試みもあり、時代と国を越えてのコラボレーションができました。
終演後は恒例のティーパーティ。
花束や手作りケーキの差し入れもあり、集まってくださった方々の優しさを感じた一日でした。
萬谷衣里