ウィーンのへそ・シュテファン寺院(モーツァルトが結婚式をしたところ)から伸びているRotenturm Str.という通りに、ショーウィンドーから推察するに楽器屋さんとおぼしきレトロでかわいらしい、アンティーク風な(=古い)建物がありました。
わーい、と近寄ってみたところ、入口付近を含め、全体的にややホコリっぽい感じ。お客さんウェルカム!な営業臭がまったくしないのです。やってないのかなあ、と思いつつ、やっぱり気がひけたので一度目は退散しました。しかしながら二度目に通りかかったとき、勇気のある私は意を決して扉を開けてみました。すると、
入店したことを瞬時に悔いるようなすさまじい光景が。
煙草の匂いが染みついたそこは、グレーのカオス。
積み上げられた書類や段ボール、その中にテキトーに置かれた管楽器や弦楽器。
目を疑うとは、こういうことをいうのだとおもいました。が、
奥のテーブルにいたおじさんが立ち上がって近づいてきたので、
もはや逃げようがありません。
おじさん: こんにちは、なにをお探しかな?
私: あ、えーっと、オーストリアのフォークミュージックかなにかないかなーと思って・・・
ほとんど口から出まかせだったのですが。
案内された奥の部屋は、さらにカオティッシュでした。
でも、CDを探しているといった手前、示された棚を物色してみる私。
例にもれず、ホコリをかぶって並ぶ商品たち。
そこで私に発見されたのがこちらのCDです。
(このジャケットを読んでいただきたくて、わざわざスキャンしたのでクリックして拡大してね。)
見つけた瞬間、なによりも、このジャケットが欲しいと思いました。
おじさんを呼んでお伺いをたてたところ、そこで視聴させてもらうことができ、
ホコリ指数99パーセントの店内に、オーストリアのレアグルーブイが突如流れ始めました。それはこのジャケットの示す通りの、私の期待した音楽そのものだったのであります。
CDにはユーロに統一される前の価格(3ケタ)が表示されていましたが、きけば19ユーロということでしたので、迷わず購入いたしました。
ちなみにジャンルはジャズに分類される気がします。
そそくさと店をあとにしてしまいましたが、いま思えばおじさんともう少し話をすればよかったです。よくよく見れば、あの店内もこだわりのあるインテリアだったなあ、とも思いますし。またウィーンに行く機会があれば、必ず訪れたいところです。ちなみに場所はこの辺です。